握手を廃しお辞儀を採用

スタンフォード大学のウイルス学者曰く『握手ではなく、日本式のお辞儀、あるいはお互いのひじをさわる、いわゆる安全握手にすると、(感染の)危険性はかなり減少します』。

この言葉を雑誌The New Yorker掲載の記事「Hands Across America by David Owen」の中で見かけた時、イギリスに留学して最初のカルチャーショックを受けた日のことを思い出しました。 『あなたは人に会うとかならず頭を下げますね。どうしてですか?』とたずねられた時は返事につまりました。これには後日談といったものがあります。以後、ひたすら頭を下げないようにと気をつけたのですが、1年後、日本の帰国して、すぐに『(留学したからといって)頭が高いのはいかん』と注意されました。ひたすら背筋を真っ直ぐにと努力したのが裏目に出たわけです。

この記事は商品名Purell というalcohol-based hand cleanerの歴史を紹介したものですが、1988年に発売後10年間は全く無視されたも同然だったのが、今や億単位で売れているとのことです。米国における院内感染の最大の原因が医療側の手を介しての感染で、年間約10万の患者死亡の原因とみられています(2002年時)。それ故、手は生物兵器(biological weapon)と呼ばれています。如何にして、手を清潔の保つかが問題になるのですが、CDC(The Centers for Disease Control and Prevention) は過去、水と石けんでの手洗いが最適としていましたが、目下、アルコール性のハンドクリーナーが最良と態度を変えました。

しかし、いくらクリーナーが改良されようと、実際に使用されなければ感染予防につながらないわけです。Purellの製造元では、電子科学を応用して、医療側の手の清潔の有無を探知出来るシステムを開発しているとのことです。

2件のコメント

  1. 医療側は手の清潔を保つ為に、手に汚れがあれば水と石鹸で手洗いをした上で、アルコール性のハンドクリーナーを使うべきではありませんか?

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  2. おっしゃるとおりです。残念ながら、医療現場では、仕事に追われていると、石けんと水での手洗いはつい後回しになりがちです。ハンドクリーナーだと少量のクリーナーをとって手をこすれば良いので、その問題を解消するわけです。CDCではハンドクリーニングを徹底するべくキャンペーンを展開しています。手の衛生(Hand Hygiene)に関するこれまでの調査結果等をWhat’s New in American Medical Field欄に入れておきましょう.

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YokoKelley への返信 コメントをキャンセル